何気ないことですが・・

当たり前のように毎日が繰り返されているように思うことがあります。 でも 本当にそうなんだろうか・・・ 今こうして呼吸していることは当たり前ではなくて 与えられているのだと考えることができたら。 今までとは違う角度で物事を考えたり行動することができるのかもしれません。

花を眺めるときも、正面からだけ見るのではなく、葉を裏返してみたり花びらの側面から眺めてみたり 花びらをむしってつぶしてみたり・・・ 普段とは違う形で見つめてみたら 必ず違う世界が広がるのです。 怖がっているだけでは違いすら気がつくことがないのです。

「花を通して色々なものの捉え方を教えたい 人間教育に一生を捧げたい」とそう仰っていたのは私の師匠である新妻尚美先生。
この方に出会って私は花との生活が始まり もう20年数年が過ぎ去ろうとしています。 習い始めたのはまだOLの頃で仕事が終わると一目散にスクールへ・・そういう日々を一年間過ごしました。何度も上手に活けられなくて悔しい思いをしながら帰ったこともよい思い出です。

生徒さんがいけた花のデザインを見ていると精神状態がわかるのょねぇ〜 なんてことをよく仰っていて そんなもんかしら?って 生意気にも思ったものですが この年齢になるとそれも一理あると思います。 それだけ私も長く生きてきたということなのでしょうか・・・
迷い迷って挿した花には やはり迷いの姿がそこに出ます。 自信満々でも傲慢であれば姿形に表れます。 怖いものだと思ったものですが今の自分を振り返る時 偉そうなこともいえませんが背筋を伸ばして悔いのないように生きて生きたいと思うのです。
今私のいけるデザインを自分なりに評価するならば もっとおおらかさが欲しいなって思うのです。 技巧に走るのではなく素直に綺麗だと思える 自然なデザインほど難しいものはないのですから さり気なく飾ることができるように努力していきます。

好きな花を一輪 一輪挿しに飾ってみましょう。
どんなときも平等に花は自分に微笑んでいるように見えます。